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2023/03/06

09[西木野真姫との二重奏]

本日もいつもどおりダラダラと時間を飛び越し時は放課後。

僕とμ's御一行はアイドル研究部とやらに足を進めていた。

実は先程生徒会室に部活申請をしに行ったのだが断られてしまった。

この学校にはアイドル研究部と呼ばれる部活があり、目的や方向性が似ている部活は2つも作れないらしい。多分部活動予算の関係だろう。

キッパリとは断られずにアイドル研究部と話をつけてくるように、と穂乃果達3人は東條さんから提案された。

東條さんは少なからずμ'sの敵ではないのだろう。

東條さんはμ'sにどんな思い入れがあるのだろうかと思考を巡らせながらスクールアイドル部室を目指して横に2列に並んで歩く穂乃果達の背中を追っていると真姫が足を緩めて僕との距離が徐々に縮まる。

やがて僕は真姫に追いつき隣に並んだ。


2023/02/24

08[西木野真姫との二重奏]

 本日の授業も終わり、ジメジメとする空気の中下駄箱に向かっていた。梅雨に入り窓の外はパラパラと雨が降っていた。

穂乃果達は放課後に練習があるらしい。

こんな雨の中で大変だなと思いながら、僕は今週末に行われるコンサートの練習をするために帰路に足を進める。

こんな天気の中一体彼女らはなんの練習をするのだろうか。

筋トレとかやるのかな、と適当に問題を片付けながら下駄箱から靴を取り出し床に放り投げ上履きから履き替えようとする。

「こんにちは。」

誰かから声をかけられたので視線を向けるとそこには東條希副生徒会長が立っていた。

「こんにちは。」

僕は東條さんに声をかけられたことに驚きながらも丁寧に挨拶を返した。

東條さんは微笑みながら口を開く。


2023/02/23

07[西木野真姫との二重奏]

「はぁ、はぁ。」

有り余ってる体力をしぼりだし教室へ向かう。遅刻確定30秒前、僕は全力で廊下走っていた。

残るは階段を上り数十mの廊下を走るだけだ。

心の中では勝ちを確信しながらも全力で走っていた。全力疾走といっても元々足が遅いので傍から見たらジョギングでもしてるのかと間違われると思う。自慢ではないが運動は大の苦手だ。小学生に混じってスポーツテストをしても最下位争いをする自信がある。それほど運動ができない。

そんなことはどうでもよくて、階段を鯉のようにバタバタと上り、最後のホームストレートに侵入しようとしたところで誰かとぶつかってしまった。

「うわぁっ!」

「おっと。」

2023/02/21

06[西木野真姫との二重奏]

今日も真姫のピアノを聴きながら惰眠を貪ろうと音楽室に向かっていた。

僕にとって音楽の女神様である真姫にピアノであやされながら眠るというのはたまらないものだ。毎日最低6時間程、睡眠時間を取れているのに最近は妙に眠い。

真姫と音楽室にいる時は全て睡眠に使っているので1時間くらい睡眠時間が追加される。


そんな怠けたことを考えながら音楽室に到着したのだが、着いたやいなや真姫は僕の手を掴んだ。

「いくわよ。」

「え、どこに。」

真姫は答えず無言を貫く。代わりに勢いよく歩き出し、僕を引き摺るように力強く手を引っ張った。

最初は一体どこへ行くのかわからなかったが階段を降ったので下駄箱にでも行くのかと思った。

2023/02/20

05[西木野真姫との二重奏]編集済み

 視界の隅から見える太陽はまだ高かった。もう時期ジリジリと季節が変わり、この時間の窓から見える夕陽の位置が高くなるにつれて気温も上がっていくのだろう。

こんなつまらないことを考えながらぼーっと廊下を歩いていた。

廊下の角を曲がる時、誰かとぶつかった。

「すみません。」

少しよろけたがすぐさま立て直し、視線を相手にやり謝った。

周囲の目を引きつける金髪ポニーテールに目を引き込まれた。

ぶつかった相手が誰なのかすぐにわかった。

「大丈夫よ。こちらこそごめんなさい。」

2023/02/19

04[西木野真姫との二重奏]

「おはよっす、フユ」

下駄箱から教室へ向かっている途中にある一人の男に声をかけられた。

彼はジョージ。2年連続同じクラスで出席番号が近かったので何となく仲良くなった。ジョージの特徴は何かと聞かれても答えるのが難しい。ジョージはパッとしないのだ。僕が言えることでは無いのだが。そう、彼はまるで僕みたいだ。僕もパッとしないということになるが否定はできないがどうでもいいのが正直な感想だ。

僕はだいたいジョージともう1人の友達の豊と共に学校生活を送っていた。

豊は多分今日も遅刻だな。

僕は適当に挨拶を返してひとつ気になったことを聞いてみた。

「そういえば君、なんでライブみにこなかったんだ?」

ジョージから一気に血の色が消えてギョッとしたのが目に見えてわかった。ジョージが肩にかけていた汚い学生鞄がずるりと下がった。

03[西木野真姫との二重奏]編集済み

 ホームルームも終わり僕は音楽室へ向かった。真姫が来る前に着いていなければ怒られると、何となくそんな気がしたので僕は足を急がせた。遅刻するなと言っていたしな。教室と音楽室は離れているが、急いでしまえば1分弱で辿り着くことができる。

そして音楽室までの最後の角を曲がり到着した。

早く着いたと思ったのだが、そこにはもう真姫の姿があった。

少し駆けて真姫に声をかけた。


「真姫、おまたせ。」

「、、、じゃあ、行くわよ。」

僕の言葉にあっさりと答えて講堂へとゆっくり歩き出した。

02 [西木野真姫との二重奏]編集済み

コンサートが終わり患者を病棟まで見送ったあと僕は後片付けをするためまたホールに戻っていた。後片付けと言っても軽く掃除をしてピアノに鍵をかけるくらいだが。

簡単な片付けも終わり、病棟からホールへ向かうまでの道の隅に置いてあるベンチに腰をかけていた。

すると、誰かがこちらにやってくるのがわかった。

真姫だ。

真姫は大人っぽい服に身を包んでいた。ファッションに疎いのでなんと言えばいいかわからないが、かっこよくて大人っぽい印象を抱くような格好だ。

真姫は両手に缶コーヒーを携えていた。


「お疲れ様、今日もみんな楽しんでたわね。」

01 [西木野真姫との二重奏]編集済み

学校中の生徒が待ちわびた昼休みにて、他生徒達は学校中に散らばり仲良く友達と昼食を食べている中、僕は図書室で適当な本をだらだらと読んでいた。

この時間の図書室はほとんど人が見当たらなかった。この学校の敷地が広いからであろう、生徒たちがそれぞれバラついており、人口密度自体低いのだ。

ましてや、図書室。この学校は決して偏差値が低く、本を読む生徒が少ないという訳ではない。しかし、B棟3階に位置するこの部屋から放たれる独特なオーラというものは、現代のティーンネイジャーを引きつけることはなかった。

僕はこんな部屋が好きだった。

空気はしんみりとしており、とても居心地が良かった。